消費増税は悪なのか? -実は消費税を負担するのは個人ではなく法人?!‐

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10月1日から消費税が10%になり
山本太郎さん、ひろゆきさん、藤井聡さんなど色々な方が、
反対の声を上げている

その主な理由は、デフレの日本において
増税をすれば、景気がますます悪くなり、結果的には税収も落ちるというものです
また法人税を優遇して、庶民に負担を多くしているという批判もあります

一方で財務省などは
日本には1000兆の借金が、、、
ハイパーインフレのリスクが、、
プライマリーバランスが、、、
などと言って、財政健全化という錦の旗のもとに消費増税を推し進めてきました

番組の議論が、日本はオワコンだけど
稼げる人は海外移住したりすれば問題ない
もしくは、海外で稼いで日本で生活する分にはコスパが良い等と言った
一部の人しか実践できない方向に行ってしまっているのが残念ですが
それは放っておくとして
増税賛成派と反対派のそれぞれに、考えるべきポイントがあります

まず財務省が言っている
日本には1000兆の借金が、、、、というのは
政府が日銀や、国民に借りているものなので大丈夫と言うのは良く言われています
家計に例えれば、家のローンは3000万円あるけど
それと等価かそれ以上の資産があり、毎月収入もあるから大丈夫ということです
もっと言えば、日本は対外国に対して世界一の債権国ですから
デホルトやハイーパーインフレを心配する必要はありません

一方で、増税が「弱い者いじめ」の悪かと言えば
必ずしもそうとは限りません
例えば消費増税額6兆円の半額近くは
保育園無償化などの少子化対策に使われます
長い目でみれば、日本国全体の為なのです
それでも子育て世代でない人達は「私には関係ない」となるでしょう

では、そもそも私達は、「受益」以上に税金を納めているのでしょうか?
当然のこと、税金は育児以外にも様々な公共サービスに使われていて
私達は知らずのうちに、多大な恩恵を受けています
アメリカでは健康保険すらない人たちが多く
癌になったら家が傾くと言われていますし
歯医者なども目ん玉が飛び出るほど高いですが
日本では、個人が負担するのは医療費のごく一部です
道路や図書館も非常に良く整備されています

「今でしょ」で有名な林先生がテレビで語ったところによると
年収にして900万円以下の世代は
納めている税金よりも国などから受けている受益の方が多く
「受益過多」もしくは「フリーライダー」と呼ばれる
状況になっているとのことです
別にさぼっているわけでもないのに
「フリーライダー」だと言われるのもどうかとは思いますが

(これについては別途記事を書きました ↓ ↓)


実質的には、消費税が多少上がったとしても
殆どの家系は納税以上の受益をしているということです
年収900万円以上の割合は、全体の6%程度と言われていますので
私も含めて、殆んどの人は
国に税金を吸い上げられているというよりは
「与えられている」「再分配されている」と言う方が正しいのです

さらに、少し考えてみれば分かる事ですが
企業は物の値段を自由に決める事が出来ます
しかし高すぎると売れないので、ギリギリのところで値段を設定しています

例えば
5500円で売れる靴のコストが3000円だった場合
消費税が「0」であれば、企業の儲けは2500円です
6000円で売れば、3000円儲けますが、買う人が減るのでそれも出来ません

ところが、消費税が「10%」の場合、今まで通り
2500円の儲けを出そうとすると、税込み6050円で売らなければなりませんが
当然、売り上げは落ちます
そこで、企業は値下げをします
やっぱり税込み5500円で売るのが一番売れ行きが良いとなった場合
企業の利益は2000円となってしまいます

そうすると、表面上は消費者が
500円の負担をしているように見えますが
実際には、企業の儲けが圧縮されて
企業が消費税分を負担していると見る事も出来るのです

どうせ企業に負担させるなら、「法人税」をあげて
企業から直接徴収すれば良いと言う方も多いですが
それも簡単ではありません
例えば
日本で最大規模を誇るソフトバンクグループは
帳簿上の節税や、グループ会社の資金移転などを利用して
法人税を一円も払ってません

また今日のグローバル化する社会において
法人税を上げれば、
企業は法人税が限りなく低いタックスヘイブン等と呼ばれる島や
外国に本社を移してしまい、日本経済は空洞化します

しかし企業がいくら海外に逃げたり
法人税を会計上のテクニックで逃れるとしても
逃れられないのが日本市場で商売をする時の「消費税」なのです
企業は日本で財やサービスを提供する限り
無条件、消費税を含んだ値段で売らなければならないからです
そして政府はそれを国民の為に使う事が出来るのです

勿論、僕も消費税は下げて欲しいです
又、 増税が景気を冷やしてきたことは、そうだと思いますし、

政治家が今まで税金を無駄遣いしてきた事や
孫の世代に負担を押し付ける年金制度に目をつぶってきたこと
自分たちの天下り先にバラまいて来たこと等は批判すべきだと思います

しかし、一方的に、消費増税は
「庶民に負担増!!」
「弱い者いじめだ!!」
などと感情論で考えるのではなく
以上の点も考慮に入れた上で各自が判断されれば良いかと思います

個人的には、国が通貨発行権を取り戻し、「政府通貨」を発行して、
それで全て賄えば良いと思っていますが、、、

 

 



【文責:著者名: 山崎純二 、本名: 山崎 順】


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