「機動警察パトレイバー the Movie」宇野常寛のサブカル講義 

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押井守の時代背景、、、

全共闘世代の後

政治にコミットしない事が新しい価値観だという
リア充世代が誕生した

彼らのフォーカスの中心は
音楽、ファッション、演劇などの文化的なものだった

しかし一方で
同時代に生まれたオタク・優等生的なグループは
職業倫理にコミットしていくという価値観を見出した

イデオロギーに染まるでもなく
単に文化を謳歌するのでもなく
自分がいる組織の中で
職業倫理に忠実である事が
彼らのアイデンティティーだった

しかし宇野さん風に言えば
押井守はそれを
「しゃらくさい」と思っていた

【所感】
親世代の空気感や時代観
を見てきたように
解説してくれるので
分かりやすいし
端々に押井守愛が
滲み出ているので
宇野さんの表情もイキイキしています

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押井守というと
攻殻機動隊に代表されるような
身体論的なものが特徴だと
思うかもしれないが

東京の乱開発
消費社会
物はあっても物語がなく
アメリカの核の傘のしたで
思想も歴史的心情もなく
学園祭前日のようなものを
永延と繰り返す
若者たちを痛烈に批判するものだった

それが
ビューティフルドリーマー
という作品

夢から覚めるためにはラムちゃんに告白して
家庭をつくり
髪を短く整えてスーツを着て
社会の一員となっていくこと

しかしその結果
会社の社畜となり
社会の歯車となった
人々のメンタリティーは
押井守さんの予想に反して
定年まで安全な会社に守られながら
学園祭前日のようなものを
永延と繰り返すことになってしまった




 【犬と猫】

押井守監督が
若い世代の人達を
かわいらしく感じ

犬として
猫である彼らと上手に付き合い
猫達を使って来たのだが、、、

イデオロギーのない彼らの喧騒やお仲間ごっこ的な
ものに、やがて興味を失っていくという話

 

【オオカミ】

全共闘世代の学生が
天皇制や日本的なものから離れ
地球人として歩もうとした時

三島由紀夫が彼らをある種
可愛がりながらも
一人で彼らを圧倒した場面を思い出す

これは言わば
一匹のオオカミと
牙の生えた1000匹の野生の猫たちとの対峙であったが

【21世紀のコスパ時代、、、】

押井守監督の時代には
犬と牙の抜けた猫との対峙となり
現代の子らは
さしずめ何に例えるのだろうか

宇野さんの話が
しばらく続きそうなので
ウォッチしつづけて見たいと思う

 

【牙】
どうして
人は牙を失っていくのだろう

それは
命をかけるほどの価値や使命を
失って

皆が利己心や保身や
コスパなんかに
意識を支配されざるを得ない時代だからだろう

でも三島は語った
「人は自分の利己心の為だけに生きていけるほど強くはない」

なんか非常に逆説的だけれども
日本で最後のオオカミの言葉には

重みと優しさがあると
この頃かんじる

 

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【文責:著者名: 山崎純二 、本名: 山崎 順】


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