「麺心(めんごころ)國もと」という、個人の方が一人で営んでいる
ラーメン店の一日を取材し紹介。
取材しているのは外国人で、主に日本国外の視聴者に向けて発信されている。
そのためナレーションは英語だが、日本語字幕も可
(自動翻訳のような機械的なものでなく、細かく忠実に翻訳され自然で読みやすい)。
2020年8月現在で、海外を中心に1400万人に視聴されている。
【概要】
店主“國もと”さんの一日を追いつつ、表面からは伺い知れない多種多様な作業を
朝8時から夜11時半までほぼずっと働き詰めでこなすという、
ラーメン屋を営むということがいかに大変かを見せているのだが、
ただ「ああ、驚いた。やっぱり個人経営って大変なんだね」という結論で収まるのではなく、ところどころに國もとさんへのインタビューが含まれ、それにより、
これだけのハードワークでありながら全くネガティブさを感じさせず、
むしろ視聴後は心洗われる気持ちにすらなるコンテンツになっている。
【國もとさんの今までの経緯】
お父さんが脱サラしてラーメン屋をやっていたため、
十代の頃にはお手伝い感覚でお店に入っていた。
でもそのお店を継ぐわけではなく、彼自身は一旦サラリーマンとして営業職に就き、
その後であらためて、
“自分で作ったものをお客さんに喜んでもらえる仕事がしたい”
と思い始め、
まずはラーメン日本一として知られていた麺屋武蔵へいきなり電話して雇ってもらい、
新宿本店で4年半修行を積む。
そして独立後は、まずは弟さんといっしょに“命懸けでやり、
そして今は朝9時から一旦休業する午後3時まで入るバイトさん一人と共に、
その後は終業までずっと國もとさん一人、あるいはときどき親御さんにヘルプを頼む。
決して雇用人を入れたくないわけではなく、全く見つからないのだそうで、
以前働いていた人は、國もとさんが本気で教え込もうとしたことで
それが重荷になってしまったという。
【毎日の作業】
メニューは4種類、具材の違いだけでなく、麺の太さ、スープが根本的に違う。
麺以外の具材はすべて自ら一からの仕込み。
閉店後は複数の大鍋を含む全調理道具と店内のカウンター、壁、床などを徹底的に洗浄。
通常それが終わってお店の鍵をかけるのが深夜11時半。
一旦店を閉める午後3時から午後5時までは、彼自身の休憩時間かと思いきや、
スープ取りなどさまざな作業が待っていて、実質的に休めるのは15分ほど。
【國もとさんの言葉】
インタビュー中、はにかみながらも終始満面の笑顔。
そして自ら、“けっこう大変な仕事”と認め、
“これがだめになったら後がない”“、生計の程度は“普通に生活できる”ぐらい
と語ったあとで、インタビューアーの質問
「ラーメン屋さんのオーナーになって嫌なことってありましたか?」
に対しての國もとさんの答えは
「いやー、ちょっと、特にないですね。」
【最後に】
ナレーションは語る:
ショップオーナーといえば、自分がボスであり、
好きなように出来る、と思われがちだが、それは真実だろうか。
むしろ、お客こそがボスとなり、面倒な仕事も他に回す代わりに
全部自身でこなさなければならない。
そして最後の質問:
「もし他にお店を任せられる人がいたら、ここまで身を粉にして働かなくていいのでは?」
に対する國もとさんの答えは、この取材者を驚かせるものだった。
「その人には第2店舗をやってもらって、自分がこのままこの店で働きます。」
【まとめ】
過労死という言葉が海外でも知られるほどになって久しく、
長時間労働によるストレス、うつ病、自殺などが取り立たされては、
時短や時間外労働禁止などを謳うことが珍しくなった昨今だが、
それは本当に労働する時間の長さだけの問題だろうか。
またコロナ禍で多くの人が職を失う中、
真に“労働する“ことの意味と、
労働することが幸せであることをキーポイントに
今一度考えさせられる動画である。
ライター:Yuko
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